【ボニャールって何?】オルセー美術館で本物の“白い猫”を見て知った、日本との意外な関係!!

SNSで話題沸騰!あの“ぐい〜っと背中を伸ばす白い猫” 通称ボニャール──実は、フランスの画家ボナールという人が描いた作品だって知ってましたか?
実際にボニャールを見て、知ったのは……日本との深い繋がりでした!

ラグドール5さい

ンン〜〜〜

はた主

あ!またボニャール撮り逃した・・・
いつもカメラ向けるとボニャールやめちゃうね笑

ラグドール5さい

・・・・

はた主

ボニャール撮るのなかなか難しいんだよなぁ

去年、仕事でパリに行く機会がありました。
せっかくの自由時間、カフェでまったりするのも良いし、可愛い雑貨を探すのも楽しそう……でも、そのときのわたしの目的は、ただひとつ。

「本物のボニャールに会いに行くこと」でした。

SNSで「#ボニャール」として話題になっていた、“背中をぐぃ〜っと伸ばす白い猫”。
めいっぱい背中を伸ばすあの愛らしい猫が「#ボニャール」としていろんな投稿に登場し、同じポーズをする猫ちゃんの写真が次々とアップされて……X(旧Twitter)のタイムラインがボニャールで埋め尽くされたのはわたしだけではないはず。

そんなわけで──
わたしも“本物のボニャール”を見るべく、オルセー美術館へ行ってきました!

この記事では、そんな猫好きさんたちに向けて、「ボニャール」の簡単な解説と、ボニャールに会う前に知っておきたいポイントをぎゅっとまとめてご紹介します。

ちなみに、うちの猫ちゃんはというと……その間、もう一人の主がしっかりお留守番対応してくれたので、どうぞご安心を🐾

これを見たらこんなことがわかります!
  • ボニャールの元ネターーピエール・ボナールのざっくり解説!日本と意外な関係もご紹介!
  • ボニャールの見られる美術
  • オルセー美術館での展示位置・探し方のヒント
  • チケット予約や注意点(展示替え情報も!)
目次

ボニャールってなに?だれが描いた?─「白い猫」と意外な日本との関係!

あの“白い猫”を描いたのは誰?

22歳のセルフポートレート(1889)

SNSで話題になった“あの白い猫”通称 ボニャール──背中をぐい〜っと伸ばしている、ちょっととぼけたようなあの猫。
あの絵を描いたのが、ピエール・ボナール(Pierre Bonnard (1867 – 1947))というフランスの画家。

《白い猫(Le Chat Blanc)》はボナールが1894年に描いた作品で、“ボニャール”という愛称で親しまれているのは、画家の名前 ボナールとこの絵が結びついているから。
猫好きさんのあいだで、#ボニャール が拡散されている間に、いつの間にか絵そのものが“ボニャール”と呼ばれるようになった、そんな経緯があります。

同時代の印象派とも近い存在ですが、彼は「ナビ派」という、ちょっと個性的な芸術グループに属していました。
ナビ派は、“見たままを描く”印象派とは少し異なり、もっと心の中に浮かんだイメージや、装飾的な表現を大事にしたスタイル。
そのせいか、ボナールの絵にはどこか夢の中のような、やさしくてちょっと不思議な空気が漂っています。

猫好きの心をつかむ、ユーモアと愛情

ピエール・ボナール「白い猫」1894

そんな彼が何度も描いたモチーフのひとつが、
《白い猫(Le Chat Blanc)》はその代表作のひとつで、何度もスケッチを重ね、構図やポーズを試行錯誤しながら丁寧に仕上げられた一枚として知られています。

あのぐい〜っと背中を伸ばす仕草には、ボナールの鋭い観察眼と、猫への深い愛情、
そして思わずクスッと笑ってしまうようなユーモアが詰まっています。

また、ナビ派の特徴である「平面的な背景」「左右非対称の構図」には、日本の浮世絵からの影響が色濃く表れています。
ボナール自身、葛飾北斎や歌川国芳といった日本の画家の作品をこよなく愛し、そうしたエッセンスを数多く自分の作品に取り入れていました。

浮世絵にも、自由でのびのびとした猫たちがたくさん描かれています。
ボナールが猫を繰り返し描いた背景にも、そうした日本美術からの着想があった、と言われています。

そう、実は “#ボニャール” の原点のひとつに、日本があるんです。
世界中の猫好きに愛されているこの一枚に、日本の表現文化と深いつながりがあるというのは、ちょっと誇らしい発見ではないでしょうか。

そう思うと、なんだか胸が熱くなりますよね。

いざ、オルセー美術館へ!──“ボニャール”に会う

ボナールの《白い猫》と同じ仕草をしている猫がX(旧Twitter)のわたしのタイムラインを埋め尽くしてからというもの、パリに行く機会があったら「本物に会ってみたい」と思っていたわたし。
そしてついに、パリ出張のタイミングでその願いを叶えるチャンスがやってきました。

向かった先は、セーヌ川沿いにたたずむ美術の名所──オルセー美術館(Musée d’Orsay)
この美術館は、パリを代表する国立の美術館。所蔵作品は、19世紀末〜20世紀初頭の作品が中心で、観光スポットとしても大人気です。

建物は、かつての駅舎を改装して使われているのが特徴
高い天井や大きな時計台など、駅の面影が随所に残っており、外観だけでも見応え十分
SNSを利用する方なら大きな時計台の裏側から撮った写真を一度は見たことがあるかもしれません。あれはオルセー美術館の時計台の裏から撮影された写真です。

館内に入ると、印象派やポスト印象派の名画がずらり。
モネやルノワール、セザンヌにゴッホ……あの名前、この名前、と知っている画家の作品が次々と目に飛び込んできます。

“ボニャール”はナビ派(Les Nabis)をキーワードに探す

ボナールの《白い猫》が展示されていることが多いのは、オルセー美術館の「ナビ派(Les Nabis)」エリア
このあたりはボナールをはじめ、やわらかな色彩や独特の空気感を持つ絵が集まっていて、まるで静かな猫の時間が流れているような場所です。

館内はとても広く、初めての方には少しわかりづらい構造なので、「ナビ派」という案内表示を目印に探してみてください。意識していないと通り過ぎてしまいそうなくらい静かに、でもしっかりとそこに、“ボニャール”はいます。

とうとう見つけたボニャール!!

作品ひとつひとつをじっくり見ながら回っていたら、気づけば3時間が経過。
「そろそろかな……?」と思い始めたころ、ようやく、順路の終盤で──念願の「ボニャール」と対面できました!

展示室には人だかりもなく、落ち着いて撮影(※フラッシュは禁止)も可能
思わずわが子(猫)のアクリルスタンドを取り出して、一緒に記念撮影してしまいました🐾

デフォルメ(=形を簡略化・強調)されているのに、猫らしさがちゃんと描かれていて──背中の伸ばし方、顔の向き、リラックスしたしぐさ。
見れば見るほど、「あ、うちの子もこういう顔するなぁ」と重なって、
作品への愛おしさと、わが子への愛しさが一気にあふれてきました。

他にもいた!ボニャールたち

「庭の女性たち」1891年 左から《白い水玉模様を着た女性》《猫と座る女性》《ショルダー・ケープを着た女性》《格子柄の服を着た女性》
ボナール「猫と女性 あるいは 餌をねだる猫」1912

実はボニャールの作者、ボナールは猫を何度も描いています 中にはテーブルの上に乗っていたり、無邪気に遊んでいたりと、本当に“あるある”な猫の仕草が満載。

白猫以外にも、茶トラっぽい子や黒っぽい子など、登場する猫たちは個性豊か。 猫好きさんなら「あ、これうちの子に似てる!」って思える作品に出会えるかも。

もちろん、美術館の中には他の画家の描いた猫の作品もあります。お気に入りの猫の作品が見つかるかもしれませんね。

ボニャール (白い猫) に会いに行く際の注意点 – チケットや注意点など

① チケットは絶対に事前予約が安心!

これは本当に声を大にして言いたいんですが、パリの美術館はどこも激混み!!
オルセー美術館も例外ではなく、当日券売り場は長蛇の列、なんなら入場できないこともあります……

チケットは公式サイトまたは信頼できる予約サイトで事前にゲットしておきましょう!
わたしの場合はオルセー美術館の公式サイトで購入しました。
オルセー美術館公式サイト:チケット購入ページ

🐾【予約のポイント】
・オルセー美術館の公式サイトはフランス語か英語のみ対応
・しかし翻訳をしながら利用すれば簡単にチケット取得可能
・公式サイトの他にも、日本語に対応しているサイトもあるのでそちらの利用でも入場可能

② 予約ミスにはご注意を……!(実体験)

これは本当にあったわたしのバカな体験談なんですけど……
なんと、1年後の日付でチケットを予約してしまっていたんです😱

オンラインでチケットを買うとバーコードが届くので、それを持って満を辞してオルセー美術館の入口へ。
いざ提示すると、スキャンが通らない……。
スタッフさんに確認されて一言、

オルセースタッフさん「これ、来年の日付ですね」

わたし 「…(・・・え、終わったんだけど??😇)

その後「当日券を買えば入れるよ」と教えてくれて、急いでチケット売り場へ。
ありがたいことに、空いている窓口に案内してくださって、無事に購入できました!(涙)
もちろん、チケットは2枚分買うことになりましたが……ボニャール猫に会えたから、よし!

🐾 これ、ちょっと確認するだけで防げるミスなのに意外と多いらしいんです!
なので事前予約を利用される方は「予約日付」だけは最終チェックお忘れなく!

わたしのように、うっかり“チケットの誤購入”で美術館に行く人がひとりでも減りますように……(笑)

③ 展示替えにご注意を

ボニャールに会いに行ったのに、「展示されていない……」ということが、実はあるんです

ボナールの《白い猫》はとても人気のある作品ですが、いつでもオルセー美術館で見られるわけではありません
というのも、オルセー美術館はその所蔵している美術品の数が膨大であることから、定期的に展示の入れ替えが行われていて、ボナールのように評価の高い画家の作品は、たまに国内外の企画展に貸し出されることもあるからです。(実際、2018年には「白い猫」が日本に来たこともありました。)

そのときどきの展示スケジュールに合わせて場所を変えている、そんな立ち位置の作品なんです。

ですので、「今、展示されているかどうか」を事前にチェックしておくのが安心です◎
以下のリンクから確認することが可能です。

▼ 展示状況はこちらから
オルセー美術館コレクションURL:ボナールの展示状況
(※本記事執筆時点では、《白い猫》は展示されていません)

🔍【確認のポイント】
・公式サイトの「コレクション」や「展示中作品」セクションをチェック
・上記のリンク先にクリック後、ピエール・ボナールの名前の下に状況の記載があります。

《ボニャール》と会うために──オルセー美術館 基本情報

🎨 ボニャールを観られる場所
オルセー美術館(Musée d’Orsay)/パリ・セーヌ川沿い

🕙営業時間
9:30~18:00(木曜は~21:45)

📅定休日
月曜日

🌐公式HP
https://www.musee-orsay.fr

🚃 最寄り駅
メトロが一番楽。
⑫番線「Musée d’Orsay」駅を降りて目の前!

🖼 展示場所のヒント
ボナールの《白い猫》は、ナビ派のゾーンにあることが多い。「Les Nabis」を探しましょう
スタッフの方に「Le Chat Blanc(ル・シャ・ブラン)」もしくはWhite Cat(ホワイトキャット)と聞いてみても良いかも。
私の場合は、終盤にボニャールを見つけました。

所要時間
美術館が本当に大きいので、全作品をゆっくりみると3時間以上かかります。
事前に見たいものを絞っていく方がベター。

おわりに──“猫を愛する気持ち”は、いつの時代も変わらない

この記事では「ボニャールの解説」と、「これから会いに行く方に知っておいてほしいこと」をお伝えしました。

ボナールが《白い猫》を描いたのは1894年。今からおよそ150年も前のこと。
当時の彼が、猫の姿に心を奪われ、何度も何度もスケッチを重ねていたことを思うと、その光景を想像するだけでちょっと微笑ましくなってしまいます。

150年前にも、猫にデレデレしながら絵を描いていた人がいたんだなぁ……と
ボナールはきっと猫の絵を描いているとき、終始ニヤついていたはずです。笑

結局、猫を好きになる気持ちは、きっと時代も国も関係ないってことですよね。

かくゆうわたしも、長らく会えなかったせいか愛おしさが募ってしまい、わが家に帰ってすぐに顔をうずめて、こねくり回しました。当然ながら、秒速で逃げられましたけど(笑)

どこにいても、どんな時代でも、猫は人の心を掌握してしまう存在
そんな猫の愛おしさが溢れる作品だからこそ、ピエール・ボナールの「白い猫」ずっと愛されてきたのだと思います。

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